ジムニーのインテリアを DIYでレザーパッケージに

<はじめに>

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私は本業以外にレザーのバッグを作ったり、趣味で靴を作ったりしています。
そんなレザー好きとしてはジムニーのプラスチッキーなインテリアをレザーでドレスアップしたいのです。

ご存知の通り純正OPにもグリップカバーなどがあります。
しかし品質的にどうしても我慢できない点があるのです。
そこでレザーのテクニックを駆使して作ってみることにしました。

まずはドアハンドルのグリップカバー。
形状を観察し設計図を書きます。
まずは手書きで型紙をおこします

続いてPC上できっちりした型紙を書いていきます。
型紙製作にはイラレが活躍します

この型紙をベースに紙で試作品を作ります。
まずは紙での試作品

グリップに合わせてサイズ等をチェックします。
今回は初回でピッタリとしたものができました。
初回でフィットしました

これをベースに革の厚みと切り替えを考えて図面を変更。
本番用の型紙を製作します。
革の厚みや切り替えしを考えた型紙に変更します

使用するのは栃木レザー製のヌメ革。
染色していない生成りの革としました。
革の厚みは1㎜。
これを型紙に合わせて切り出していきます。
栃木レザーのヌメ革を使用します

こちらが切り出したパーツ。
片側で3枚のパーツを縫い合わせてハンドルカバーを製作します。
左右で6枚のパーツを切り出しました

これを縫い合わせてハンドルカバーを製作します。
糸は擦れに強い太めのナイロン糸を使用しました。
もちろん「純正OPの気になっていた部分」もしっかりと作りこんでいます。
革が飴色に変化したときに美しく見えるベージュの糸です

これをハンドルに取り付けると完成です。
デザイン、製法ともに完全オリジナル。
純正OPよりもだいぶいいものができたと思います。
ドアハンドルに取り付けて完成です

続いてサイドブレーキのカバーも製作しましょう。
ドアアンドルと同様に手書きの図面を書いてから型紙を製作します。
サイドブレーキの手書き図面です

ところで純正OPの気になっていた部分ですが、それは端の処理です。
正確には折り返した部分が厚くなっていること。
あからさまな手抜き処理なのです。
これに1万円を超えるお金を払うことは革製品の製作者としてはありえません。
折り返した部分が2枚分の厚みになっています

革の端を斜めにカットします。
これはスカイビングと呼ばれる技術で、ネットや本を読んだだけでは身につかない技術です。
とはいえネットでレザークラフトのさわりのhowtoを見ただけで適当なモノを作り売っている人もいるようですね。
動物の命も無駄になるのでやめてほしいものです。
私は製靴の師匠に厳しく教えられた部分だけに妥協なく作りこみます。
スカイビングをしたエッジとナイフの刃先を比べると薄さがわかります

元の革の厚みは1㎜なので決して厚くはないのですが、スカイビングをした革と比べるとその差は歴然です。
左が加工前の革です



続いて牛と比較して摩耗に強い豚レザーを細長くカットし、こちらもスカイビングします。
ちなみにこの豚革は厚さ0.7㎜。
コンマ以下の加工は難しさが飛躍的に高まります。
コンマ以下の処理が続きます

先ほどの豚側を牛革の裏面に貼り付けます。
牛革のスカイビングした部分は下の写真では上下、
豚革のスカイビングした部分は貼り付けた内側になっています。
豚革を牛革に貼り付けます

さらに牛革のスカイビングした部分を折り返します。
ここでスカイビング処理が生きてきます。
スカイビングした部分を折り返します

右が未処理の革、元の厚みです。
左がスカイビング後に折り返した革。
同じ厚みになっています。
純正OPではここが厚くなりやぼったい仕上がりとなっているのです。
左がスカイビング後に折り返した革です

サイドブレーキカバーの前後になる部分を縫っていきます。
今回はダブルステッチにしてみました。
革の縫い方は基本的には下穴をあけてから糸を通します。
前後のステッチはダブルステッチにしました

糸の処理はその作家のセンスが現れる部分です。
単純に結ぶだけだとそこだけがふくれてしまうのです。
サイドブレーキは手に触れる部分だけに、いい加減なことはできません。
そこで10㎜四方の豚革を切り出し、さらに四辺をスカイビングします。
四辺をスカイビングした10㎜の豚革

この豚革を貼って糸止めにします。
貼ってからもスカイビングをするので革の厚みは表まで影響しません。
この処理方法は私のオリジナルです

あとはサイドブレーキに縫い付けるだけですが、
その前に角の部分を丸く落とします。
目的はエッジがたっているとそこから痛むためです。
この目的がわかっていない「自称プロ」はいい加減な処理ですね。
革の角を丸くカットします

最後にサイドブレーキに巻き付けて縫っていきます。
市販品はステッチが上に来ていたりしますが、擦れなどで糸が切れにくいようにこのあとステッチ部分を下側にしました。
また糸は2重にして耐久性を高めています。
糸を2重にして縫っていきます

完成カットがこちらです。
両端がほとんどふくらんでいないのがわかります。
前の下側が太く見えますが、これはサイドブレーキ本体のデザインによるものです。
サイドブレーキカバーの完成です

同様に助手席のアシストグリップハンドルのカバーも作ります。
アシストグリップのカバーも作りました

シフトノブやコンソールトレーもレザーにしました。
日焼けと使用で色が変わっていくのが楽しみです。
シフトノブも栃木レザーです

ついでにシートヒーター部分もレザー貼りにします。
これは完全におまけです。
センターコンソール部もレザーにしてみました

これでステアリング以外はほぼ完成です。
好みは分かれると思いますが、ジムニーらしいカジュアル感と個性を作りこめたと思います。
実はこのほかにもステアリングなどやりやい部分もありますので、今後アップしようと思います。


コメント

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  2. Hello
    great job !!!!
    I would like to do the same thing in fabric to remember my seat covers, I would have my jimny in October, can you give me the dimenssions of the wrists of doors and the passenger or better files DXF or other like the one that you have on the computer.
    thank you so much
    Have a good day

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