あご当てのカスタム 3

<はじめに>

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こんにちは、ブレッソンです。

さて、あご当ての作業を続けましょう。
とはいえ、ナイフと彫刻刀で造形はほぼできているので、
あとはサンドペーパーで削るだけです。
番手は#100#400#800#1500#2000の順にかけていきます。
オイルニスで着色するので削っていない面も合わせてサンディングして木の地肌を出します。

なお柘植(ボックスウッド)材は本来白っぽい色なのですが、
今回加工を施した柘植はあまり良いものではなく、やや茶色の地肌になっています。
市販品は硝酸で着色したり塗装を施して、あの茶色にしています。
ですが今回は木目を見せたいのでオイルニスで仕上げていきます。

サンディングが終了したあご当て。
柘植は木目がきれいなのだ。

サンディング中はカメラが木屑だらけになるので写真はありません。
ちなみに柘植材は木目が綺麗な特長がある。
いわゆる杢がなくても木材らしい美しさがあるのですが、
市販品でその特長を出しているものはほとんど見かけません。
その木目を見せることも今回のカスタムの目的なのです。

テールピース部分の小型化に合わせてあごを乗せる部分も小さくして、
全体のバランスを取っている。

ちなみにこのあご当てテールピースやペグなどのセットで購入したもの。
価格は数千円で見た目も値段なりでしたが、木目を出すことで高級感もあがると思われる。
またあご当てだけでなくテールピースも裏を掘って加工を施している。

テールピースも同時に加工を施している。

#2000までサンディングをしてから0.2ミクロンの研磨剤でさらに表面処理を行います。
こうすると霧吹きなどで水をかけても木肌に水滴ができるほどになります。
ペイントは下地処理にどこまで手間をかけられるかで仕上がりが変わってきます。
塗装してから磨く方法もありますが、こうすると塗装被膜の傷が原因で光沢が鈍くなってしまうのです。

オイルニスを塗布した。
木目もしっかりと見えている。

塗装中の写真もありません。
塗りむらの原因となるので写真を撮っている余裕はありません。
今回は2回、重ね塗りをしました。
色を濃い目にしたので、あまり重ねると色が濃くなりすぎるのです。

なかなかきれいにできたのではないでしょうか。

テールピースも同時にオイルニスで着色します。
こちらも表面をしっかりと仕上げています。
また、弦が触れる部分はエッジを落として丸くしています。
安物ではここが切りっぱなしになっていて弦を痛めるのです。

サンディングをしすぎて表面が光ってしまいました。

裏面は強度を落とさない程度に削ってる。

色のバランスもいい具合だ。

これであご当てのカスタムは完成です。
ちなみに音うんぬんは今回は無視。
あくまでも木の美しさを見せることと、
日本人のあごにあう形のあご当てを作ることが目的です。
次回は装着した状態でお見せしましょう。
といっても大したバイオリンではないので期待しないでください。

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